

第21回定期演奏会
1990年11月29日
森ノ宮ピロティホール
7月に、初めて天神祭の船渡御に行きました。
大阪で生まれ育っていながら、ほとんど興味がなかったのですが、 実際に川岸に立ち祭の雰囲気を目の前にすると、妙ににはしゃいだ気持ちになりました。
船の上で風情に酔う人達。屋台で威勢良く客を呼び込む声。
祭見物などをする人間が、大阪のどこにこんなにいたのかと思わせるほどの人波。
たかが舟遊びにすぎない、そんなものを楽しみにし、集い、意気高揚する。
日常と比べると、違和感のあることでした。
だが、理性とは関係なく、心は率直に、見知らぬ人達の高揚に共鳴したのです。
やがて長かった陽も暮れ、闇の中に、花火と船と水面が美しく輝き出すと、 ますます現実離れした気分になっていきます。
雲のかかった空と、ゆらめく川面の、光の届いていない所に、祭を楽しみ、 ほほえんでいるまなざしを思い浮かべました。
まなざしの主にとっては、船に乗っている人も、見に来ている私達も皆主役なのでしょう。
人間は、そこで何を演じ、何を欲したのでしょう。
それらは、実は、私達の心がいつも求めているものなのではないでしょうか----。
本日は、私共大阪市立大学合唱団フリーデ第21回定期演奏会におこし頂きまして、誠にありがとうございます。
また、この日を迎えるにあたり、様々な形で御指導、御助力いただきました、諸先生方、 OBを初め関係者の方々に対しまして厚く御礼申し上げます。
年間のひとまずのゴールといえるこの定期演奏会をむかえ、団員一人一人の心もさわぎはじめています。
各々が、いろいろな思いで過ごした一年。
積み重ねられた日常が、一瞬の非日常を創り出し、自らの胸を熱くさせる。
それを目の前にして、皆様一人一人の心が共鳴し、私共と互いに高めあいながら、 心が求めているものを見つけられればと願っています。
”ときめきを体験できることのすばらしさ”、あの祭での感情は、 一つの感慨となって、今宵私達に問いかけます。
1990年11月28日 大阪市立大学合唱団フリーデ 部長 小林 隆一
Ⅰ.混声合唱「夢みるひと」フォスター名曲集より
作詩:Stephen Foster 編曲:Roger Wagner
1.金髪のジェニー 2.なつかしきケンタッキーの我が家 3.草競馬 4.夢みる人 指揮:靏池久仁子
Ⅱ.混声合唱組曲「心の四季」
作詩:吉野弘 作曲:髙田三郎
1.風が 2.みずすまし 3.流れ 4.山が 5.愛そして風 6.雪の日に 7.真昼の星
指揮:佐藤知 ピアノ:森口恵
Ⅲ. Cher ami! Ⅳ.混声合唱組曲「まぼろしの薔薇」
作詩:大手拓次 西村朗
1.まぼろしの薔薇 2.薔薇の誘惑 3.ばらのあしおと 4.孤独の薔薇 5.ひびきのなかに住む薔薇よ
指揮:山和之 ピアノ:大室圭子
