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第22回定期演奏会

1991年12月1日

会場不明

 大きな空から小さな雨粒が木々へ花へそして大地へと静かに、時に劇(はげ)しく舞い降りてきます。 

彼らは音もなく深く染み込み、小さな流れをつくります。 

しかし彼らは一体何をすればよいのかわかりません。 

すると、どこからか声が聞こえてきました。 

「海へ向かって進みなさい」その声は言います。 

彼らは抗うこともなくその声の許に集まり、集まり、集まって川になりました。 

そして海に向かって流れます。 

その間、彼らは水面に映る様々なものを見つめてきます。 

無邪気に遊びまわる幼児。

幸せそうな若者達。

かと思えば涙を落とす姿もあります。 

そして言葉もなく静かに佇む年老いた人。 

それらを見つめながら彼らは何を思うのでしょうか。 

川は流れます。すると岐(わか)れ道にやってきました。

銘々がおもう道をゆきます。 その時彼らは何を考えるのでしょうか。

立ち止まりたい時もあったでしょう。 

引き返したい時もきっとあったはずです。

しかし、立ち止まることも、引き返すこともできないのです。 

後から、後から、次々と流れてくる者達に押されて、進むことを余儀なくされるのです。 

そしてあとからやってくるものたちに、自分のかわりに見守ってあげて欲しいと願い、 想いを託し、先へ、先へと流れてゆくのです。 

そうした様々な想いをのせて海へ注ぎこまれた小さな雨粒は、海と一つとなり、そこで、 初めに聞いた声、つまり大きな意志に気がつくのです。 

そして、その大きな意志と共に、大きな心で、みんなを見守ってゆくのです。 

………………ふと我に返ると、遊びに来ていた丹後半島の、強風波浪注意報の発せられた海を見つめ、 ボーッと砂浜に立っている自分に気が付きました。 

冷たい風に吹かれて、振り返ると一緒に来ていた団員達が、楽しそうにはしゃいでいました。 私もその中へ駆けていき、皆とはしゃぎ、さわぎ、楽しみます。  

今宵、皆様に見守られながら私共大阪市立大学合唱団フリーデは、 第22回定期演奏会におきまして、今まで様々な形で、御指導、御助力くださいました諸先生方、 OBをはじめ関係者の方々に厚く感謝の意を表しつつ、一所懸命はしゃぎます。         

1991年11月29日 大阪市立大学合唱団フリーデ 部長 大谷 秀樹

Ⅰ.混声合唱組曲「潮風のうた」 

作詩:中村千栄子 作曲:多田武彦 

Ⅰ.海の男 Ⅱ.にぎりめし Ⅲ.若い飛魚 Ⅳ.汚してくれるな Ⅴ.潮風のうた 

指揮:小西孝昌 


Ⅱ.混声合唱組曲「青春のネガティブ」 

作詞:片岡輝 作曲:新実徳英 

Ⅰ.どこにも存在しない街へ Ⅱ.まだ見ぬ人に Ⅲ.愛のネガティブ Ⅳ.架空の時を Ⅴ,反語 

指揮:靏池久仁子 ピアノ:石毛明生 


Ⅲ.言えずの I Love You 


Ⅳ.混声合唱組曲「川よ とわに美しく Part2」 

作詩:米田栄作 作曲:三枝成章 

1 八月歌 2 燧(ひうち) 3 家族 その二 4 翠町仮寓(みどりまちかぐう) 5 美しきものを咎め給うな 

指揮:佐藤知 ピアノ:石毛明生

曲目

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